管理人さん、あらすじの次くらいにこれもお願いします。
■導入
虚空より現れたそいつは君たちが座ってる席に座るなり大声で幽霊ウェイトレスに注文する。
「ハイポネックス水割りで!」
「かしこまり〜」
緑のプラスチックボトルの液体を一滴垂らした水を飲みほしたそいつはおもむろに話し始めた。
「良い話があるんだけど、今度ランナーワナビの娘たちがね、レンラクの施設を襲うんだけど」
「その仕事横取りしてみない?」
ん?妙だな。
話的にはよくある話なんだがこいつが言い出すのは妙だ。
こいつは『蒲公英』、覚醒直後からこちらにいる強力な自由精霊だ。
しかも女性が集団で男性をボコってると事情も確認せずに女性に加勢するダメな意味での筋金入りのフェミニスト魔女教団のメンターなんてやっている。
一応、蒲公英はまだ話が通じるがそれでも女の子護るためにヤクザにケンカ売ったからと言ってくるくらいにはめんどくさい。
ランナーワナビと言えど女の子の仕事を横取りせよとかこの話、絶対厄ネタだ。
君たちの微妙な表情を見て蒲公英は笑った。
「その娘たちに依頼したのがNDTってレンラク子飼いのランナーチームの生き残りのフェイス、オズマって言うんだけどね」
「その娘たちにレンラクの施設を襲撃しろ、その日は警備が手薄でいいものが手に入るって」
ふむ、罠だな。
レンラクの子飼いがレンラク襲えってどう考えてもおかしいだろう。
しかも、その感じだとそいつは自分がレンラクの人間だと黙ってそうだな。
「その通り!襲撃の日には試作ドローンが警備していて、その娘たちにぶつけて実戦テストするつもりみたいだよ」
「だから、そのタイミングであなた達が襲撃してそのドローンの戦闘データ、可能なら実機をゲットしようという話」
なるほどね、このまま放置だとその娘たちは死ぬ、だから仕事を取り上げて横から目当てのものをかっさらおうってわけか。
「そうそう。と言うわけで依頼は二段階」
「最初にこの娘たちを少なくとも今回のランの間大人しくさせておくこと」
「可能なら非暴力的な手段、無理なら命は大事に的な手段で大人しくさせてうちに渡してほしい」
「次に目的の施設に潜入しドローンのデータ、可能なら実機をゲット」
「この娘たちの確保で5千、レンラクへの仕掛けで5千。ドローンの実機が確保できればボーナス」
「どうかな?」