震える電光
マスターに連れられてピュージェット湾に面する海岸で君たちは依頼人を待っていた。
やがてエンジン付きのゴムボートで一人の男が現れた。
オークに匹敵するほどの体躯を誇るヒューマンの男性だ。
アジア系だろうか、まだ20代に見える。
「久しぶりですね。マスター」
「お久しぶりですゴジロウさん」
旧友らしい二人は抱擁を交わした。
マスターは君たちに向き直り男を紹介した。
「護・次郎・ドハティ・エドワーズさん、私の古い友人です」
「気楽にゴジロウと呼んでくれ。今日はよろしく頼むよ」
ゴジロウはそういって君たちに笑いかけた。
「今日は亡くなった俺たちの友人の命日でね、墓参りをするんだ」
「君たちにお願いしたいのはその護衛だ」
゛護衛?狙われる心当たりがあるってことか?“
「敵は多いんでね。それと申し訳ないんだが出来る限り今日は死人を出さないようにしてほしい」
゛はい?“
「今日は友人の命日だからな」
「喪に服すために武器も防具も持っていないし、魔法も使わない。マスターも同様だ」
゛つまり無防備なあなたたちを襲ってくる刺客から守れと?刺客を殺さないようにしながら?”
「その通りだ。まあ無防備と言ってもアサルトキャノンや対戦車ミサイルの2、3発は耐えて見せるさ。それ以上は無理だが」
「ゴジロウさんと一緒にしないでください。私は1発までです」
二人はかなりおかしなことを言って笑いあった。
「本当にどうしようもなくなったら本気を出すんで俺たちの生存に関しては心配しなくてもいい」
「ただし、そうならないようにベストを尽くしてほしい」
「頼んだぜ」
男はそういって声をあげて笑った。
その笑い声は深海から響く逆再生されたコントラバスの音色のようであった。
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同時刻…どこかで
「これがヴィブロ・ライトニングですか…」
暗闇の中、一人の青年がつぶやいた。
異形の機体が照らし出される。
「はい、機体全体が人工ダイヤモンドコーティングされています。理論上は奴のブレスに耐えられます」
「主兵装に2門のハイパーレーザーキャノン。こちらは以前遭遇した別の個体に対して十分な殺傷能力があったことを確認済みです」
「そして機体名の由来となった超振動装甲。起動中は機体全体が高速振動剣同様です。触れたものをすべて引き裂きます」
「ただし15秒以上起動していると機体が空中分解してしまいますが、あなたの腕なら制限時間内にケリをつけられると信じています」
「奥の手として火鏡(フゥオジン)、五行が今回提供してくれたメタマジック反射術の錬金術アイテムです。奴のブレスを1度だけ反射することができます」
「これなら奴にも対抗できますよ。いや勝てます」
技術者の男は興奮した早口で青年にまくしたてた。
「…かならず」
異形の機体を見上げる青年の目は絶望の色に暗闇より暗くよどんでいた。
■レギュレーション
・使用ルール:5th
・方向性:東宝特撮ワールドにならないようにPCが頑張るお話
・TR:2〜
・募集人数:3〜4名程度
・予定回数:3〜4回
・開催日:同上
・開始予定:年末くらい、クリスマス卓とかあるならそちら優先
・推奨PCタイプ:社交系、ハッカー系、情報収集系、戦闘系
・非推奨PCタイプ:特になし
・推奨技能など:社交系、コンタクト、ハッカー系、情報収集系、覚醒生物、企業情勢、ドラゴン情勢
・お仕事傾向:非殺
・ミッション内容:VIPの墓参りの護衛
・武器の制限:上記に準ずる
・報酬:新円1万5千、8カルマスタート
■コメント
見に行けました。
すごく面白かったです。
今回のセッションはいろんな人に恨まれたり狙われたりする依頼人(+マスター)を護衛することです。
条件として出来る限り死人を出さないようにです。
敵が動き出す前に情報収集して先手を打ちましょう。