Jとゴスロリエルフが話をしていると突然停電が起こる!
暗闇の中で鈍い打撃音とJのくぐもった苦痛の声が聞こえる。
明かりがつくと床に付したJを見つけるゴスロリエルフ。
(ここまでKさんの要請によるRP…僕じゃない!w)
何が起きたのか良く解らないままJを引きずってレストランの店内に戻ってくるとすぐ近くの席でプッタネスカをぱくついていた赤いコートを着た男が声をかける。
「この土砂降りの中護衛?正気か?都会っ子の俺がそんな厳しい環境下で長時間の護衛?雨の日の皮靴くらいにしか役に立たないぞ?」
と言いつつ俺はゴム長靴を履いた足を挙げて見せた。
因みに美人なウエイトレスがどうみてもこいつドレスコード違反なんだが?という殺気のこもった視線を飛ばしている気がするが恐らく気のせいだろう。
恐らく俺のイケメンっぷりに熱い恋慕の視線を送っているに違いない。
そうだそう思っておこう。
「ちなみに俺はこんないかれた依頼を受ける気はない。お前さんがどうしてもというから義理を立てて顔だけ出しに来た。解るか?それに今日はホークと呼ばれた男の再放送もある。この再放送を俺は3年待ったんだ。そもそも俺は雨の日の外出は大嫌いだ。あ、勘違いするなよ?雨の日に家の中でする読書は至高のひと時といっていい。あ、ウエイトレスのおねーさん、デザートにロマノフをあえたストロベリーサンデーとか出来ます?」
ゴスロリエルフ「誠二…依頼を受けない奴の支払いを持ってもらえると思っているのか?」
「…。え?駄目なの?」
ゴスロリエルフ「当たり前であろう」
俺は思わず耳を疑った。
この雨の中呼びつけておいてなんてせこい!
いや、せこくはないか普通だな。
むしろせこいのは俺では?
まぁ良い。
都合の悪い事実からとりあえず目をそらしておく。
何、シンプルな問題だ。
悩む余地などない。
自分で支払えば俺はホークと呼ばれた男を見逃さずにすむ。
ここは落ち着いて深呼吸をして伝票を確認だ。
吐いて…吸って…吐いて…吸って…よしOK。
えーと……………おかしいだろただのパスタにこんな価格つけるとか?
これだから資本主義は!!
「…。よし、俺向きの依頼だな。泥船に乗ったつもりでいていいぞ?で、J、お前は何を聞いているんだ?もっと大事なことがある。これだからいつまでたってもおむつが取れないんだ。因みに糞野郎って言ったのはちゃんと聞こえていたからな」
人差し指を立てて続ける
「まず儀式環境。設営と言っていたが…野外でむき出しでするのか?それとも簡易的な祭壇的なものをこさえてその中でするのか?する予定地点周辺の地形。話を聞いているとパトロールの巡回区域のようだが…その頻度は?練度は高いらしいな。だが汚職の度合いは?ジーニアス君は儀式入る前に自分に防御系の呪文…完全透明化とか?そういったのはかけられるのか?儀式中完全に無防備になるとなると…J、お前、肉の壁になるんだぞ。俺はシアトル1ハードボイルドな私立探偵だが痛いものは痛いし都会っ子でか弱いからそーゆーのは任せた」
中指を立てて更に続ける
「中央アジアの小国、ベギニスタン。この召喚が成功すれば…砂漠化は止まり耕作地は増え国は豊かになる。間違いないな?こいつはでかい新円が動く。問題はむしろ儀式が成功した後の方だよジーニアス君。解っているだろうが君の本当の闘いは儀式が成功した後だ。まぁどちらにせよ現在インフラを握っている会社や耕作地が増えた時に伸びるであろう会社のリストが欲しい。時間も限られているからそれが使えるかどうかは解らんが…とりあえず試してみよう。用途?用意出来たら話すよ。無理なら仕方ない。」
運ばれてきたデザートを食べる。
うん、いけてる。
だがあの価格はぼったくりだろう。
「で、出発はすぐなんだよな?移動手段は?移動中にマトリクスで会っておきたい奴がいるんだが?」