プロレス界にはたくさんの英雄がいる。
その中でも燦然と輝くのが、スラッシュ&スコーンの二人だろう。
最初敵同士であった彼女と彼はリングでぶつかり合い絆を結びあった最強のタッグだ。
マンデインでノンサイバーでトロール。
ガチガチに強化されたヒューマンのレスラーをトロールの鍛え抜かれた身体能力だけで粉砕する姿は人気が高い。
もう一つ、二人は聴覚を持たない。
これが後々、話題に出てくるから覚えていて欲しい。
と、言うわけで君たちはリングの外でも人生のパートナー、つまり夫婦であるお二人の自宅に訪問している。
ベルビュー郊外の高級住宅地だ。
門から邸宅まで車で10分以上かかったんだが、持ってるところは持っているなあ。
「よく来てくれたな。とりあえず一杯やるかい?」
君たちの1年間の生活費くらいの値段がしそうなウイスキーを出してくるスコーン(夫)。
「よく来たね。腹の足しにもならないだろうけど食べるかい?」
そう言って500グラムぐらいありそうなステーキ(大豆たんぱくではなく本物の牛肉だ!)を出してくるスラッシュ(妻)。
凄く飲みたい食べたいけど、戦闘不能になるので我慢して仕事の話をしよう。
「お前さんたちに探してほしいのはうちのポチだ」
「息子の8歳の誕生日に買い始めて今年で3年目になる」
「これが息子のマサルと犬のポチだ。可愛いだろう」
「マサルもポチもどんどん大きくなってね」
二人の息子が彼と同じくらい大きな犬を抱きしめている写真だ。
ほほえましく愛らしい。
被写体と撮影者との間に愛情を感じられるいい写真だ。
息子のマサルもトロールであるということを考慮しなければの話だが…。
息子の年齢から考えるとトロールだと180cmぐらいの身長があるはずだから、この犬は2m近い大きさがあって…。
いやそもそも、これ犬じゃなくてバーゲストだよね?
「ああ、犬種はバーゲストだな」
「吠え声に問題があるけどうちは大きくて敷地外に声が漏れないしね」
「息子も含めて私たちは全員、耳が聞こえないから麻痺することもないし」
「サイバーイヤーも考えたんだがノンサイバーで売っているからな」
「実際、コムリンクがあれば困ることはないしね」
「昔は大変だったらしいからなあ」
そのあたりの事情はともかく、犬種がバーゲストだって?
そのポチ(バーゲスト)はいつどうやっていなくなったんで?
「ポチは普段は庭に放し飼いにしているんだ」
「昨日の晩、うちの警報装置が鳴ってローンスターが駆け付けたところ、麻痺して動けなくなったヒューマニスの連中と壊された外壁があった」
「ポチはちゃんと仕事をしたが、散歩に行きたくなったらしくていなくなっててね」
「ここはベルビューのはずれでレドモンドにも近い」
※ベルビュー(高級住宅地)、レドモンド(低所得者層の多い街、なぜかベルビューと隣接している。スラムどころか北斗の世界もあったりする)
「ベルビューの監視カメラやパトロールが発見してないところを見るとレドモンドで散歩しているんだろう」
「見つけて保護してほしい。出来る限り早くだ」
保護…。
無傷でなんだよな?
「もちろんだ」
「ポチは大切な家族だからね」
そっかー。
こういうの得意な探偵がいるんだけど紹介しましょうか?
「ああ、キャットシーカーか、最初彼に頼んだんだ」
「だけど猫が専門だからと言って断られたんだ」
「代わりにお前さんたちを紹介してもらったというわけだ」
あんにゃろう…今度会ったらパフェでもおごらせてやる。
と言うわけで君たちはレドモンドの荒廃区でバーゲストを捜索・保護することとなった。
■レギュレーション
・使用ルール:5th
・TR:2〜
・募集人数:2〜4名程度
・予定回数:22時から25時、3回程度
・開始予定:2月中
・推奨PCタイプ:社交系、魔法的な調査能力
・非推奨PCタイプ:完全な安楽椅子探偵系、カウチポテト系
・推奨技能:エチケット(1以上あれば問題ない)、交渉、追跡、
・お仕事傾向:聞き込み(エチケット)、追跡(追跡)、戦闘
・ミッション内容:目標(大きな犬)の捜索
・武器の制限:特になし
・報酬:9,000¥、6カルマが基本
■コメント
シティアドベンチャー系。
北斗の拳のような世界で金持ちのペットのバーゲストを捜索し保護します。
聞き込みだったり、探知呪文だったり、数少ない監視カメラをハッキングしたり…。
■その頃のキャットシーカーと呼ばれた探偵は…。
「シアワセから逃げ出したネコって言うからいやな予感はしてたんだが…」
「シアワセ・サイバートゥースタイガーじゃないか!」
※シアワセ・サイバートゥースタイガー(サイバーウェアとバイオウェアで強化されまくったシベリアトラ。光学迷彩を積んでて潜入能力も高いプレデターみたいなバイオドローン)
「マスター、Ver4ベータモデルは光学迷彩だけでなく音響迷彩も装備しており対応は困難です」
「依頼者からは無傷で確保せよとの指示も出ています」
「私に最適な提案があります」
「なんだ?雪風」
「マスターが装備を外し、そこに横たわります」
「一切の装備を捨て、無防備で無抵抗になれば対象はマスターを捕食するでしょう」
「マスターが捕食されている間に私が依頼人に連絡し対象を捕獲します」
「同時にドクにも連絡しておきますので運が良ければ内臓がいくつか無くなるだけで済むかと」
「…お前、これが終わったらフルメンテのコースだからな」
「マスターがメンテの依頼を出せることをお祈りしています」
そして最後の戦いが始まる!!